今回、韓国から韓流スターのグッズや写真集、CDやDVD、その他韓流スター出没マップと言う怪しげな情報誌から、スターが映画やドラマで使用した商品と同じ物の中で、韓国でも良く売れているものを随時仕入れたいと言う話をした。
そこへ、テジュンのお袋さんが入ってきた。
叔母様は、しばらく固まっていたが、数秒後には何も無かったかのようにソファーに座った。
未だに俺とソナの交際を反対してるから、とても気まずいが、今日は商売の話をしに来てるので、何も言って来なかった。
話し合いは、スムーズに進み、だいたいの受注は出来た。
帰る時になって親父が、
『チャンス、ちょっと先に帰っててな!
俺は、林社長ともう少し話が有るから。』
「分かりました。
じゃあ、タクシーで駅まで行って電車で帰ってます。」
『あぁ、そうしてくれ。』
俺は、叔父様と叔母様に挨拶をして、部屋を後にした。
エレベーターに乗って1階に着いたら、ちょうどミリちゃんがお昼休憩をするために、お弁当を持って外に出ていくところだった。
「ミリちゃん、今から昼飯かい!?」
『そうよ。
もう、お話は終わったの?』
「あぁ。親父はまだテジュンの親父さんと話が有るらしくて、俺だけ先に帰ることになったんだ。」
『そうなの!
って、あれ、あの人チャンス君のお父さんじゃないの!?
一緒に居る人って、テジュンのお母さんだよね!?
二人って知り合いなの!?』
「いや、分からない。
以前、テジュンのお袋さんに会った時に、俺のアボジ(親父)の事を知っているって言ってたけど、唯単に芸能人として認識してるだけかと思ったよ!」
『ちょっと跡をつけてみようか?』
「エ~ッ!
自分の親の浮気現場を目撃する事になるかもしれないんだぜ。
俺はいいよ。」
『単に知り合いなだけかもしんないじゃない。』
「だよな!
ちょっとついていってみるか!」
『そうこなくっちゃ!
なんかワクワクしますね!』
って、他人事だもんなぁ。
当事者としては、ワクワクって言うよりも、ハラハラとかヒヤヒヤって言う感覚なんだよなぁ。
って言ってる間に、二人は正面玄関から出ていき、建物の横に在る倉庫の裏手に曲がって行った。
俺とミリちゃんは、建物の陰から二人を見守る事にした。