次の日、ヒロがカオルと一緒に実家にやって来た。


『チャンス、あけましておめでとう。』


「ヒロにカオル!

ようこそ!

まぁ、上がってくれ。

ヒロ、まだフリーター遣ってるの?」


『そう言う訳にもいかないっしょ!

カオルと結婚する為に、貯金しなくっちゃいけないから、真面目に働く事にしたよ。

今は、親父の遣ってる《水谷工務店》で修行中なんだ。』


「私がヒロにハッパかけたのよ。

いつまでもボードやサーフィンばっかりなんて、この先の私達の将来が見えてこないんだもん。」


『だから、親父に頼んで、修行してるんだ。

いずれは、跡を継いで頑張るつもりだ。』


「そっかぁ。

まぁ、結婚式には呼んでくれよ!

俺達XYZのメンバーがKYUと一緒に歌を歌いに行くからな!」


『まぁ、かなり先になるけど宜しくな。』


「ところで、親父さんに聞いてくれた?」


『あぁ、400万円でOKしてくれたよ。

俺の就職祝いだってさ!』


「サンキュー。

助かるよ!」


『一体何を始めるんだ!?』


「俺も、韓流ブームに乗って、儲けようと思ってな!」


『またまたぁ!

そんな事言ってぇ!

もっと面白い事を考えているんでしょ?』


「まぁね!

ブームに乗るって言うのは本当だけど、儲けようって言うか、親父の会社のテナントが入らなくて、店舗を任されている店長達が困っているんで、アイデアを絞った結果、次世代の韓流スターを育てる場を作って、尚且つ利益を出せるショーパブ風のレストランを作ろうと考えたんだ。

儲けが出たら、韓流スターのグッズと一緒に、彼等のグッズも作ろうと計画してる。

そうすれば、彼等も頑張るしな!」


『高山君は商売人に向いてるね。』


「チャンスで良いよ。

アッ、そうだ!

叔父さんの件、助かったよ!ありがとうな!」


『KYU君の役に立ったかしら?』


「かなり役に立ったよ!」


『そう言えば、最近良くTVに出ているな。一躍有名人の仲間入りじゃん。』


「まぁ、大学生の間だけの活動なんだけどね!」


『そうなんだ。

あの、《約束》って言う歌、良いよなぁ。

あれってチャンスが作詞したんだってな。

曲は親父さんの作曲らしいじゃん。』