俺達の出演する歌謡音楽祭は、HNS歌謡音楽祭と言って、ひまわりTVが主催している。


今年で第39回で、かなりの歴史のある番組だ。


なぜ生放送にしないのかと言うと、演者に負担をかけない様にするためである。


4時間の生放送だと、オープニングからエンディングまで、全員拘束されるからである。


HNS歌謡音楽祭は、最初にオープニングとエンディングを収録して、自分達の出番が終了した時点で帰れる様になっているのだ。


だから、出演者はだいたい1時間から、長くても1時間半くらいで帰れるのだ。


その為にTV局から、あらかじめ時間割りみたいなのを貰っている。


時間厳守で、局に行けば、スムーズに収録していける。


たまに遅れて来たりする大物演歌歌手もいるそうだが、局の方も慣れたもので、そういう遅刻常習者の人は、最後の方に組み込んだそうである。


俺達の出番は、10番目で、指定された時間は午後12時30分。


だから、準備を兼ねて11時半に局に出向いた。


オープニングとエンディングは5日前に収録してあるので、その時と同じ衣装を用意して来た。


現在8番手のPIONEERが歌っていた。


次は若手演歌歌手の水川つよしと、フォークソング歌手のやないそうせつのコラボで、持ち歌1曲づつと、70年代のヒットメドレーを披露する事になっている。


それが終われば、俺達の出番となる。


入れ替わりの時間は5分程度だと聞いているので、今のうちに音合わせを済ませておく。


そして、遣って来た俺達の出番。


ステージ上には、グランドピアノが用意してある。


最初にSEIJIさんが、持ち歌の《CONCRETE JUNGLE》を歌う。


勿論、演奏するのはXYZのメンバーである。


次に、KYUの《My Love》、SEIJIさんの《LONLY HEART》、KYUの《約束》と4曲をメドレーで歌った。


ここで一旦、トークタイムとなり、今日俺達XYZがメジャーデビューして、KYUと一緒に遣って行くことを話した。

しかし、既にKYUのシングルCDの演奏が俺達の演奏だと付け加えてくれ、一人一人メンバー紹介をしてくれた。


最後の曲が二人のデュオで
《Happy Christmas》
を歌った。


時間にして30分程度であった。