『ミュージシャンかぁ~!
だったら、例えば大学在学中だけでも、XYZって言うバンドでデビューしてみて、卒業したら解散って言うのはどうだろう!?』
「KYUのボーカルがあれば、それも良いけど、やっぱ他のボーカルだとXYZとしては違うみたいな‥‥。」
『だよな!
ユー君と出会ったから、これまで遣って来れたし、KYUとしてデビューした後は、なんとなくXYZとしての活動は宙に浮いてたもんなぁ。
いっそのこと、KYU&XYZのセットで、活動なんて出来ないのかなぁ!?』
「良いなぁー。
おいら、遣ってみたいにぁ~!」
『スタジオミュージシャンとしてじゃあ無くって、バンドとしてデビューしてみたいよなぁ。
俺達5人いつも一緒に遣って来たんだもんなぁ。』
「後3年間、まだまだ出来ることいろいろ有ると思うし。」
『大学だって、上手く選択していけば、時間にも余裕が出来るぞ。』
「だよな!
一度、親父に相談してみっか!」
『頼んだよ~ん!』
なんて、安易な気持ちで話していたが、それが後々、凄い事になるとは、今の俺達は気が付かなかった。
それは又、暫く後の事になるが、まずは、KYUの3枚目のシングル《Sweet My Star&Happy Christmas》の両A面の発売に向けて、猛練習だ。
~♪~3日後~♪~
俺達は今、本郷スタジオに集合している。
先程、本堂さんに手直しして貰ったSweet My Starの譜面を受け取り、5階に在るスタジオ5で練習中。
アボジ(親父)は、土曜日だから学校が休みだった妹のソラと、一緒に遊んでた俺の彼女のソナを連れて来ていた。
二人がレコーディングを見学したいと、頼んだそうだ。
そういえば、XYZの再始動から、ぜんぜんソナとデートもしていないなぁ。
怒ってないよな!?
クリスマスは、一緒に過ごす約束しているし、それまでの辛抱な!
なんて、心ん中で思って、とにかく今はこのレコーディングを無事に終わらさなきゃ。
本堂さんに手直しして貰った曲は、余分な音が省かれ、スッキリとした感じになっていた。
『それじゃあ、まずはHappy Christmasから行こうか。』
「わかりました。」
遂に始まった地獄のレコーディング。
何時に帰れるんだろうか……。



