「今から入学式ですよー。皆さんは廊下に出席番号順に並んで」
体育館は結構広く、生徒全員が集まってもまだまだ入るぐらいの
大きさだった。
「一人ずつ名前呼ばれて立つけど緊張しないようにね」
と先生は言ったけど……。
緊張するなあ。
「一年生は入場してください」
先輩たちはすごくキリッとした表情でかっこよかった。
俺の隣は幸いにも三縁の隣だった。
そして入場した時先輩の目は全て三縁に
くぎ付けだったのが分かった。
男の先輩はもちろん女の先輩までもが
ざわざわとなった。
コイツのパワーは何なんだと思った。
「私なにかしたかな……」
と独り言を言っていた。
すごく声が柔らかくて通っていて高い声だった。
発表しているときは遠くて気付かなかったけど
すごくいい声してるんだな。
って俺なにしてんだ!
ヤバい。こいつにもう俺メロメロだあ……。
そんなこんなで席に案内され。
「一年生起立」
ズタッ
「礼」
「着席」
ズタッ
「一年生一人ひとり名前を呼んで行きますので
呼ばれたら立って返事をしてください。そして
すぐに座ってください」
「1組――。」
そして緊張した入学式も無事終わった。
俺達2組の廊下を見ると先輩たちが
ブワッと集まっていた。