中学校最初の日。
小学校の頃の友達2人は桜田中に行ってしまった
だが俺、水川たけるの相棒、吉川たつあきだけは俺と同じ南中だった。
「たけー、今日何して遊ぶ?」
「あぁ」
「さっきからあいつばっかり見て」
「見てねーよ」
超可愛い……。
ずっと見ていたい。
「あのさ。あいつの同小から聞いた話じゃあいつ
付き合ってるって。超イケメンらしい」
「俺にはそんなの関係ない。俺はあいつを思うだけ」
「はいはい。頑張ってくれ」
そう言うとたつは手を振り違うクラスに行ってしまった。
「なあ。たける。あの子可愛くね」
出た。女好き王篠塚良太。
こいつの女好きといったら半端ない。
「可愛いよな。絶対スキー合宿あいつ誘う」
「いやいや。俺が誘うー」
「「あははははは」」
そう言って二人で笑いあった。
ガラガラ!
「おはようございます! 席についてね」
女の先生だな。
「今から自己紹介しますよ」
「「「「えええええ」」」」
「うふふ。じゃあ一号車から今の隣の人とペアで来てね」
最初の二人が席を立ち前に立った。
「僕の名前は――。」
そしてあいつの自己紹介の時。
クラス全員がくぎつけとなった。
「わたしの名前は三縁エリカです。どうぞよろしく」
このときの拍手は今までよりも一番大きかった。
そして無事自己紹介が終わり――。
「えりかちゃん! 可愛いね」
「えりかちゃんってさー」
「ねえねえー」
すげえ。女子がアイツの周り囲んでる。
「名前知れたね」
ポンポンと肩をたたくたつ。
「三縁、って呼ぶの?」
「おま…ぇ」
フッと笑うと自分の席に座った。