2人はあたしの背中を摩るなりして慰めた。



「大丈夫!公立でもたくさん勉強して強くなれ」


「お母さんも手伝うから!…ね?」



あたしは必死に言葉をかける2人を見て笑ってしまった。
すると、2人はさすがに怒ってしまった。



「なに笑ってるんだ!せっかく慰めてやってんのに…!」


「なにが可笑しいのかちゃんと説明しなさい!」


「ぷははっ…!だってあたし…受かったもん」


「「…え…っ?!」」



2人は顔を見合わせて驚いた。
そして、抱き合いながら号泣していた。



「おめでとう!沙羅ぁ。今日はパーティーよっ!」


「さすが我が家の子だっ!よくやった!」



そう言って今夜は豪華な食事をした。
華やかに並べられたご飯に大きなショートケーキ。
お母さんはセンスがいいからとっても綺麗…!
あたしはすごく憧れていた。



「「沙羅っ!入学おめでとー!!」」


『パンパン…っ!』



クラッカーが家中に鳴り響き、にぎやかになった。
お父さんはワインをガブガブ飲んでる。
こりゃ酔うな…。
お母さんはテレビでファンの韓国人を見て、目を輝かせている。

こんな極普通の家庭にはいられなくなる。
だって…。
入学したら寮生活が始まるから…。
少し淋しくなった。