イケメンたちの虜

引きつった笑顔で挨拶した。



「…なんか用?」


「んまぁ…ちょっと?」


「ふーん。…まぁ、入れよ」


「えっ?…あたしはここでいいよ!」


「俺がヤだ。早く入れ」


「わっ…!」



強引に腕を引っ張られ、部屋の中へと連れ込まれた。

辺りを見回すと、ロックな感じだった。
そんな中で、あたしはエレキギターに目が入った。



「んねぇ。このエレキギターどうしたの?」


「ん?…あぁ。俺が中学んときにバンド組んでて、よく弾いてた」


「へぇー…。今も弾けんの?」


「まぁな。たまに弾いてるからな」


「ふーん…。じゃぁさ、いつかあたしに聞かせてよっ!」


「え…?あぁ。別にいいけど」


「やったっ!楽しみっ!」


「…ってか俺に用があるってなに?」


「…あっ。そうだったね。あのさっ、さっきはごっ…ごめんね」


「さっきって?」


「バイキングのとき、トレー間違えちゃって」


「あぁ…。別に気にしてねぇよ。でも、わざわざ来るとは思ってなかった」


「迷惑なら直ぐ帰るよっ…!」



そう言って部屋から出ようとしたときだった。
腕を掴まれ、引き戻された。