イケメンたちの虜

…あたしは気付いてしまった。
あたしが食べていたトレーは自分が取ってきた物ではなかったのです…。



「このトレーってもしや…アホ男の?」


「俺のだよっ!つーかアホ男ってのやめろ!」



どうしよう…。
絶対コイツ怒るよー。
確かに今回はあたしが悪い。
でもどうすれば…。
そうして、あたしが取った行動…。



「ってかどうすんだよ!俺の!ほとんど食ってんじゃねぇかよっ!」


「…あははぁー。間違えちゃったー」


「なにが間違えちゃったーだよっ!ったく…!次やったらどうなっても知らねぇからな!」


「…怖っ!」


「なんか言ったか?!」


「なっ…なにも言ってもせーん!!」



恐るべしヤンキー!
どうせ間違えるんだったら他の人がよかったっ!


そして、お腹いっぱい食べて部屋に戻った。
食べたばっかだけどベッドへジャーンプッ!
フカフカのベッドが眠気を誘う。
…が、さっきの出来事が頭から離れない。
…やっぱり謝った方がいいよね。
あたしはアホ男に謝っていなかった。
悪いのはあたしだし、謝らないとなにされるか分からない。
きっとボコボコに…!
考えただけでゾクゾクする。

あたしは勇気を出して、アホ男に謝ることにした。
部屋を出て、エレベーターで上がった。
緊張したけど、普通に言えばいいんだよ!と、自分に念を押した。

そして、今はアホ男の部屋の前。
深呼吸をして…。
インターホンを鳴らした。
音が外まで聞こえたような気がして、緊張感がまた戻ってくる。


『ガチャッ…』


「誰?…バカ女」


「よっ…よぉ!アホ男っ」



緊張で声が裏返りそう…!