イケメンたちの虜

あたしが取ったのはハンバーグ、から揚げ、かぼちゃの煮物、野菜サラダ…などなど。
あたしは爽馬君がなにを取ったか気になったから覗いてみると…!
なっ…なんとっ!
トレーの中にポツーンと生ハムとロールキャベツと肉じゃがが少々置かれていた。
これだけで足りるわけないないっ!



「もっと食べないとだめだよっ!あたしの挙げるからっ!」


「…食欲ない」


「でも食べなきゃだめだめっ!倒れちゃうよー」



そう言って、あたしは無理矢理かぼちゃの煮物を挙げた。
かぼちゃは栄養満天だし、甘くて美味しいもん!



「…俺、かぼちゃ無理」


「えっ…?!かぼちゃを嫌うなんてだめだよっ!甘くて口の中で蕩けて美味しいんだよー!」


「…じゃぁさっ」


「え…っ?」



爽馬君は椅子に座り、隣の椅子をポンポン叩いた。
…座れってことだよね?
あたしは隣に座り、トレーを置いた。



「…俺に食べさせて?」


「…えぇ?!」


「そしたら、俺食べれると思う」



爽馬君はニコッと笑った。
…くそぉー。
その笑顔…っ。
負けたぜっ…。
…でもどうしよう!
爽馬君の口にかぼちゃを運ぶんでしょー?
そう思うと心臓がドキドキしてきた…っ!
しかし、そんなあたしにお構いなしの爽馬君。
早く早くーとあたしを急かしてくる。
…えーい!
普通にやりゃぁいいんじゃーい!!
あたしはかぼちゃを箸で掴み、持ち上げた。