「・・・だって、寂しいじゃん。
あたし、一人嫌だもん」


そう言ってから、大きな口をあけて
たまごを放り込む。

私はやっぱり笑って。
パンをかじる。






「大久保」







急に声をかけられた私は、少しだけ体を硬直させた。


「有馬くん」


私の真横に立っていた有馬くんは、
私を見て少しだけ笑った。

長い髪に、細くて高い身長。
顔は美少年とは言いがたいけど、
すごく普通の男の子。


「なあ、後で一緒に帰らない?」


もともと帰る方向が一緒で
仲が良かったので、私は迷わずに頷いた。