パクッ


俺のくわえているパンの端を食いちぎった。

深晴の昼飯はいつも俺のパンの端。


「お前、そんだけで腹減らねーの?」


深晴はモグモグしながらコクンと頷いた。

深晴の仕草は、犬とか猫とかペットのよう。

俺は愛犬のワサビを思い浮かべながら、ポンポンと深晴の頭を撫でた。


「パン代、取り立てるからな5倍で」


すると深晴は俺の手を握り、ニッコリ笑うと「…ほれ」と手に何か握らせた。