そして翌日から俺は…。


「暁ー、飯食いに」

「わりぃ」

「中庭………。?」


シンを避けるようになった。


「…ごめん」


俺は静かに呟いた。

シンは深晴のモノになったんだ。

償いとしてした約束だ。

破るわけにはいかない。


「シンちゃん」

「おう、深晴」


代わりに、シンの隣にはいつも深晴が居るようになった。

そんな二人を見たくなくて、気にしたくなくて、気持ちを別に持って行く為に、好きでもないバンドを始めた。

彼女を何人もつくって、知らない間に童貞なんか卒業してて。

いつの間にか派手なグループの中心核になり、中学生として充実した生活を送っていた。

深晴との不穏な空気も、いつの間にか無くなっていた。

だけど。


「………」

「暁ぁ~♪何見てんのぉ?」


シンの姿を目で追わない日は無かった。