入学式が終わり、僕は陸と教室へ向かっていた。


「陸」

「はい、何ですか」


陸はいわゆる「お付き」で、簡単に言えば僕のお世話役。

同い年で昔から一緒に居るのに、立場的に敬語が当たり前。

僕は昔からそれが嫌だ。

て、そんな愚痴はまた今度。


「…さっきから皆が僕を避けてる気がする。気のせいか?」


沢山の人でごった返している廊下。

なのに、僕達は避けもせず当たりもせず歩いている。

一歩進む度に、数歩前の人々がスッと避ける。