一体どこで道を間違ったのだろうか。

いや、もしかしたら間違っているわけではないのかもしれない。
それすら私にはわからない。わからないまま私は、はっきりと見えない道をただただ歩いているのだ。


私は。

私を愛してくれる両親、自分を取り囲む多くの人と、自分が生きてきたうえで得た、正しいのかそうでないのか定かではない知識とに縛られている。

私は。

小さな鳥籠の中で、ただひざを抱えて座っている。
扉には、錠はかかってはいない。けど、それが開くのかどうかは私にはわからない。
扉には、手を触れたことすらないからだ。

いつも格子の隙間から空を見上げては、漠然と自由を望んだ。
しかし、私は扉に手を触れたことは一度もなかった。

籠の外に出る勇気なんて持ち合わせていなかったからだ。


私はずっとここでこうしているんだろうか。
空に憧れ、空を恐れ、この中で、ずっと。