最初で最後のキス〜短編






「何も知らないクセにっ……「知ってるよ」


えっ??



「知ってる」



「嘘つかないでよ!!」


「ちゃんと知ってるよ」


男の子は私の瞳をとらえ、逃がさない。




「おまえがいじめにあってるのも、そのいじめに決して屈しないのも。涙を流すことなく一人で闘っていたのも…本当は心の中でいつも泣いていたのも。全部……知ってるよ」


悲しい声で静かに紡ぐ。




……え…?