静まり返るリビングには、あたし達二人だけの時間が流れていく。
なんだか静かな空気に、あたしは思わずテレビを付けた。
そして、あたしからは先に口を開かなかった。
何も言わないし…何も聞かない。
光輝は話してくれる、
なんか…そんな気がしたから。
でも、しばらく二人して黙り込んでいると、なんだかちょっとおかしくて。
思わずフフッと笑みがこぼれていた。
『なんで笑ってるの?』
光輝はそんなあたしを不思議そうな顔で見ながらそう言った。
『ん?別にぃ』
あたしはそう言うと…また少し笑った。
光輝がいて。
あたしがいて。
そんな当たり前のこんなことが、
こんなにも幸せだなんて。
ただそこに光輝がいるだけで
こんなにも嬉しいなんて。
いなくなるまで。
忘れかけてたんだよね。
光輝がいるだけで、
あたしはそれだけでよかったんだ。