その頃、まだ光輝は駆け出しの新人ホスト。 毎日酔い潰れながら、給料と呼べる額には程遠いぐらい薄っぺらい給料袋を私に見せてくれた。 え? こんな少ないの? 明細を見せてもらってびっくりした。 手取りで六万円弱。 日曜日以外毎日働いて六万円。 それは、想像してた夜の世界とは全く別なものだった。 それでもそのわずかなお金で、給料日のあった週の日曜日は、おいしい物を食べに少しリッチなお店に連れていってくれたりした。 あたしはそんな優しい光輝が… ほんとに好きだった。