JEWEL BIRD【 side track line 】

　その様な似て非なる機体を操る彼は、少しも時間をロスする事無く、正確に得点の高い戦車を撃破していく。
　ｹﾞｰﾑ機を取り囲んでいた観客は、自然と歓声を上げていた。

　42人のﾌﾟﾚｲﾔｰの内、途中で大破した機数は34機。
　やがて、ﾐｯｼｮﾝ終了の文字が画面内に表示され、一つの被弾も無いまま実力を見せたｱﾚｯｸｽは、ﾗﾝｷﾝｸﾞに注視する。
　信じられない程の芸当に、誰もが外部ﾓﾆﾀｰを見るのは同様だ。

　そして皆、１位に『 ALEX 』の文字が映ると確信していた。
　だが、期待は大きな "ため息" へと変わる。　


「　嘘だろ！ 」


　ｱﾚｯｸｽは驚きのあまりに声を上げ、目を大きく見開いた。
　ﾗﾝｷﾝｸﾞの頂点に、ｱﾚｯｸｽが今まで出場した幾多のｹﾞｰﾑ選手権でも聞いた事の無い名前が、燦然と輝いていたのである。


　『　ＢＥＬＦＯＲ　』　と　。