その世界で、E・D・Gが放出する電磁波の影響を 遮断せしめようと不導体処理を施された先進諸国の兵器群は、有視界戦闘を前提とする装弾筒式徹甲弾での打撃力を主力とし、従来の戦術全てを刷新する事を余儀なくされている。
 その改変された戦場には、地を這う巨大な戦車が大規模に投入されていた。

 言わずもがな、以前の戦場で大きな役割を果たしていた航空機も、M2Cパットン重戦車と同様の不導体内面装甲を纏っている。
 それは、第二次世界大戦を連想させる、誘導ミサイルの無い、中近距離間戦闘。

 軍用航空機は、特筆すべき速度と機動性を保持しつつも、誘導から解き放たれたロケット兵器と、投下型爆弾と言う過去の兵器のみが、装甲の厚い戦車に対抗できる数少ない手段となっていた。