「おらよっと!」 エラルドはエヴを高く抱え上げると、さっさとその穴に放り込んでしまった。 「きゃぁああー」 暗闇の穴の中へ垂直に落ちてゆく彼女。そこでくるりと背を向けて、 「助かったわー。次は何が良い? 持ってきてやるよ。ねーえ? お猿さん」 「猿はおまえだ。キッ。雌を放り込んだのか」 にわかに小鬼の機嫌は悪くなった。 「ごめーん、ちょっとわけあってー」 ここでしか言えないんだけど……と膝を折って小鬼に耳打ち。途端、小鬼は機嫌良くなった。