「気持ち悪っ」 めこ、と目が飛び出る勢いで鼻っ柱を蹴る。 「エヴ、エヴ手加減、手加減どいう物をずごじ……」 彼は顔面血まみれで、体のあちこちを庇う。 場内がシーンとしているのに気づき、愛想を振りまくエヴ。担架が来るより早く、その場を去る。 きっとエラルドはリカバリーとヒールの両方が必要だ。 もし、エラルドファンの淑女の目に触れることあらば、恨まれるのはこちらだったろう。