「こんなとこで口説こうったってダメー!」
「なんだ、だめなんだ……? 俺」
「当たり前だー!」
顔中、真っ赤になりながら彼女は抵抗した。
「ちょっとは察してくれても良いのにさ」
「くっ……だらないのよそのへん、あなたって。少しは状況を……」
すっとぼけるエラルドに再三言いつけると、なにやらがやがやと近づいてくる気配。
先ほどの淫魔、サッキュバスもいる。なんと強欲な地獄の獄卒どもが勢揃いだ。
「いけない、集まってきた。でも何で?」
「やっぱりな」
訳知り顔で頷くエラルド。
エヴはエラルドを挟んで彼の背後に湧いて出た悪鬼どもの姿をとらえる。



