ライフ オア デスティニー




「俺はオーブをたった三つ、入手しただけだ。ありがたい天帝様からいただいた名誉だ。今でも父の書斎にある。横に並んでね」



 エラルドはたった三つの宝のためにわざと指を折る。そしてお気楽に笑う。



「結局三冠止まりだったんだよね。ほんと父が落胆する様子もなくてねー。救われたっつーか、今では俺が家を継ぐって思ってる」



 どうやらオーヴの力を行使するには、天使が持つオーラの力が大量に必要らしい。エヴァンジェリンはそれらを行使しようとさえ、考えなかったので、今日まで無知でいた。

 エラルドは何ともいえない表情で黄金色に輝くオーブを持つ彼女の手を両手で包み込んだ。