ああ、とエラルドが足元を見る。 「詳しいよー。俺だって優勝連覇してたんだからさ。思ったよ、俺が勇者だったら、て」 「ほ……ほんと、に? ここにいるって? 何だかあなたが口にすると何を信じたら良いのかわからなくなるんだけど」 「俺もな、一応自分で何ができるか考えた。それはあまりにも限られているし、ただ知っているってだけの知識じゃ皆目駄目なんだ」 エラルドは薄暗い地獄の地下一階で首を振ってうつむいた。