「元はあたしの戦利品よ。ありがとう、持ってきてくれて」
ありがとうとやたら連発しといて、しきりにオーブをためつすがめつ見続けている。
「そのありがとうがなんだか理不尽……どんどん寒くなってきてるし」
ぴん、と来たエヴが両腕をエラルドの体に密着させ、オーブを見つめた。
「暖かい……?」
「おっ、おお」
二人のごくごく狭い範囲で、オーブの仲介を経て増大したオーラがそれぞれを包む。
「良かった。オーブが力を出し惜しみしてくれなくて。嫌われたかと思っちゃった」
エヴはなでなで、とオーブを胸に抱く。と、それがチカリ、と一瞬光った気がした。



