「何とかならないのこれ。エラルドってば」 「俺はいまあんたを見てるんで、十分楽しいねえ」 「このおおおお!」 「わかったわかったァ」 エラルドは懐から勇者のオーブを取り出した。なんたる余裕を見せつけるのか。すると、エヴの落下速度が落ちた。二人の間で闇の中、オーブがきらきらと輝いている。 「これって……まさか!」 「ね、とっといて良かったでしょ」 驚愕するエヴの拳を握るエラルド。 「まさっ……! くず石じゃなかったの!」