さっさと『悪魔のるつぼ』に飛び込むエラルドに続き……いや、エヴァンジェリンはしばらくその偉容を見やった。皆既日蝕の時だけ開く運命の扉。一度行ったらもう戻ってこられない…… 彼女の心は震えた。 「えい、しっかりしろあたし。あのエラルドが行ったのよ。負けてられない。負けない!」 中がどうなっているのかわからない。けれど行かなければ……たとえ誰に背いても。この先に、 「あたしの、運命が、待っている」