「あたしの後ろに立たないで!」 じゃり、と地を踏みしめ、瞳を燃やす。 「ええっ? 宿で評判良いのに……これ」 「とにかく余計な動きを止めてちょうだい」 そこで何故か笑ってしまうエラルド。もともとだからだ。幼稚舎の低学年からどこも変わらないエヴ。集中すると周りが見えなくなる。彼女より先に三つも年を経って、変わってしまったエラルド。 「あんたは一生、変わるなよ! 行くぜっ」 「言われなくても、って……はやっ」