ライフ オア デスティニー




「いつになく、かっわいーじゃないの」



 と言いつつ彼は見てしまった。エヴの握りしめた拳が震えてるのを。ぐ、と自分の手でそれを押さえている。緊張の中で集中力を高めているのだ。彼女の蒼白く燃える瞳がそれを物語る。



「お客さーん、コッテマスネー」



 肩もみの真似をする脳天気なエラルド。きっと、彼なりの思いやり。

 エヴにはそんなこと、わかっていたけれど。