「勇者、勇者、勇者!」 場内は人々の歓声の渦と化した。 「……これくらいで許してくれないかしら、エラルドさん?」 彼女は短く刈った金髪が埃まみれになっている、『彼』を眼下に見ていた。 「地べたにはいつくばり、顔に埃つけられて……あなたの一番嫌いなシチュエーションでしょ? ねえ、何か言ってみてよ」