「あー忘れてた、さっき殺されたよコロシアムで。でー、天使エヴァンジェリンに救われた。あんたとは似ても似つかなかったよ」 彼は胸の前で腕をクロスして、なけなしのきらきらを放出する。そして思い出したように、 「やっぱ、寝るところくらいは提供しないとねー、男として」 「あなたにそんな甲斐性……」 言いかけてはっとする。エラルドは宿屋の息子だ。脳天気な応酬できれいさっぱり忘れていたけれど。 「おーし! 無論、タダで泊めてくれるよね。友達だもんねっ」