いつでも愛のためなら嘘つきになれてしまう男は、今日もうらはらな笑みを浮かべる。 「よしきた。もう一樽ね!」 「あ、まーって、待って。やっぱあれにしとくわ……」 ☆ ☆ ☆ ぶつ、ぶつぶつぶつ…… さっきからエヴは落ち着かない。と、いうより、ぶつくさ言うのに忙しい。 「まーまー、安酒飲んだし店の樽、空にしてやったし」