「勇者の称号、ほんとはいっぱい持ってるけど心はチャレンジャーのままのエヴァンジェリンだよな?」 ばりぼりと野菜チップスを頬張りながらくちゃくちゃとしゃべる子供に、 『違う違う違う、パーフェクトの勇者、エヴァンジェリン様さ。全く近頃の子ども達は』 周囲で聞いていた全員が固唾を飲んだ。片翼の、背が高い男が煽動し、彼の後にはひとの波ができた。 「そ、そーだ! 勇者エヴァンジェリンだ」 「ゆ、ゆーしゃ、ゆーしゃ。ほれみんな続け」