「そりゃあ、あんたは勇者の誉れ。オンナノコだから言わないでおくけど蹴りとパンチはピカイチだったよね。でも……あっ、顔はヤメテ。唯一、勝ってるの顔だけだもーん」 エヴはエラルドの両耳をむんずとつかみ、ちぎれんばかりに、左右に引っ張る。 「言ってくれるじゃないの。第一もーんとは何よ、もーんとは。それでも男?」 少女はいっそう力を加える。エラルドは目に涙をにじませて、しかたなさそうに笑う。 「そっかあ……っ、つっこむところ、そこなんだ……」