「輪になるんじゃなくて整列だな、その方法だと。真ん中に軸を入れてって」
「その翼、強いの? みんなで飛べる? 一対しかないのでしょ」
「でも、オン爺の翼、代わる代わるだけどみんな飛べてるよね、ていうことはさ、力加減でなんとかさ……たとえばー……」
「そうか! 車輪だよ。翼を同じ方向に一気に羽ばたかせ、僕らはそれのまわりにつかまって飛ぶんだ」
「そりゃいいな。でも……」
「ん……結論から言って、輪になるのはむずかしいわ」
「あのね、風の勢いが問題なんだな。どやってバランスとるの? 自在に進みたい方へゆける? ただでさえアンフェア……むぐっ」
「そうか、誰か真ん中にいなくちゃ」
「どつぼだね」



