「……いずれね。ぜんいんに翼が生えたら」 少々すねたような口調で少年が言った。 「やり直しは早いほうがいいわよ。少し、きりかえたらどうかしら」 少女がいくぶん、ませたような口調で諭す。 「どうやったら良いのかはあ、わかあないの……」 「ねえ、いっそのこと輪になってみるっていうのはどうかな」 「本末転倒よ、それって。どうやって飛ぶの」 「うん、木でできた長い棒の端と端にね、翼を付けて。みんなで捕まって一斉に」