「今回の経験は痛いほど勉強になった。いや、ほとんど痛かったけど学んで大きくなるんだものな」 「それ以上、背が高くなってどうするの?」 エヴの一見手持ち無沙汰な手元には、ゴルドンが守っていた勇者の卵が大切に抱かれていた。 「外見じゃなくって、内面だ!」 「だと良いんだけど」 「さ、虫もあらかた退散したし、ゴルドンのジーさんの体も回収済んだし。もう、俺たちにできるのは……」 「この先何もない、なんて、思ってないよね」 「やっぱ駄目?」