「え? なに? どーいう……」 ばきっ。 瞬間、エヴは自慢の万力で、一気に彼の翼を折り取った。 ぱさぱさ、とエヴの背中で新しい一対の羽が音を立てた。 「別に、あたしの翼をあげても良いのよ?」 「いや、この翼はゴルドンから預かった物だから、俺自身で持って、無傷で渡す」 「なんって律儀なの……あなたって。痛かった? 大丈夫?」 「うん……まあ。いきなり来るとは思ってなかったけど。……いきなりかよ。天使の翼って言ったら階級まで明白なんだぞ。それを」 「痛くなかった?」