エヴが階段下にきらりと光る鏡を指さした。脱走者の足を引っ張るためにそこから悪魔がやってくるようになっている。入って来たときは暗闇で二人にはよく見えなかったのだ。それは人間にとっても同様だろう。よく見ればそこここにある。
「はあ、ハーブティーが飲みたい。みんなとお祭り騒ぎがしたい。美味しいものいっぱい食べたい。全身洗って自分のベッドで寝たい」
「なんであんた、そんなにわがまま言ってんの、ここまできて!」
「だっって! これから臭くて暗くてじめじめしたところに行くんだよ? 生きて帰れるかわからないのに。それにこの格好……」
なんだか湿っぽい性格になってしまったようだ。



