ゴルドンが、と言おうとしてエヴを見る。彼女は首を横に振った。 「それにしても感心いたしませんな。エヴァンジェリン様におかれましてはこの世界のヒロインであらせられるお方。それを……」 「ねえ、ゴルドン。怒られるような事をしたのはどっちなの? エラルド? それとも……」 「どちらだとお思いで」 二人はまっすぐ、互い尽くのように、目の前の天使を指さした。傷だらけのお互いを。