「そんなに手こずった?」 「いやいや~。これしきのこと」 彼女の両腕はオーラの通るパイプとなってエラルドの傷を癒した。容赦なくかっさばかれた背中と折れた翼はそう簡単に治りそうにない。 それでなくともこんなところに長居は禁物だ。傷口により多くオーラを送るエヴ。そのとき。 彼女の手の中で何かが光った。 「いやいや……ほんとにほんとに。いーキモチ」 エラルドが言いながら、大きく息をついた。