「あっと、顔は唯一のとりえなんだっけ? ゴメーン」
「そりゃないよー」
とひとしきり放置されたエラルドが泣くマネ。(マネだけ!)
彼女はピンクのリボンがついた万能ポーチを取り出して、中から秘匿物満載の薬を使い、どうにか彼の顔だけ治してやる。
「自分で自慢していたじゃないの。あたしより、立派なこのお顔をね! どうやら自分で周囲の女の子たちに妬まれるくらい勝ってるの知ってるみたいだから、ほっといたけど」
「なにそれ、きいたことない」
「噂になってたってだけ! 下手すると女よりきれいだって、ね……」
「うげえ! きれいって、オレ、男よ? 男に言われたくない。もう、絶対いや」
「ううん、言ってたの主にオンナノコたちだから」
「マジすか……」
「マジなのだよ、エラルド君」
エヴァンジェリンは嘆息しながら、背伸びしつつ肩を叩いてやった。



