「眠って……いるみたいね」 エヴは考えた。今まで産まれて生きてきた中で、こんなに悲壮で悲しい命を初めて見た。 「名は関係ないのよ。あたしがいい反面教師でしょっ。あたしは、本当は戦いなんてしたくない。有名無実な勇者エヴァンジェリンよ」 彼女は立ったままの姿の「彼」の胸から取り出した鈍色のオーブを見つめ、 「これが彼のオーブ……そういえば名前も聞いてなかったわ」