ライフ オア デスティニー




 瞬間、曲芸めいた動きで彼が襲いかかってきた。エヴは咄嗟にかわした! 蹴りをお見舞いして空中に飛んだ。攻撃時のスキを突かれては元も子もない。水晶のきらめきだけが彼女の姿を追い、光に砕けて舞い散った。


 そのまま光は浮遊して、絶対的な光芒が降臨するまでの一時、周囲を淡く照らし出した。


 それだけでは無い。この場所の奥で声がする。囚われの亡者の中には光を求める者もあったらしいが、今は構っていられない。


 光粒子を足場にバランスをとりながら、エヴは考えた。彼と戦うのがここでさえなければ。この言葉が届いてくれれば。と……


 さざ波のような粒子の向こうに「彼」が見える。こちらを見ている。いや、そんなことはありえない。闇に生きる生物は光を恐れ、ひとめだけで目がつぶれる。なのに光を見ているのだ、「彼」は!



「まだよ。まだあなたは生きられる」