宮下はため息。リヒトの話を聞いて、表情が変わった。 「キミうっすら覚えてんだろ? パシリだろ? それ、紛う方なき、いじめじゃん! 汚えーよ。創造性ゼロだし。そいつ馬鹿!」 「ハハッ、なに怒ってんだよ。もし本物のいじめだとしたら、誰も何にも黙ってねえよ。だからあれは『なかったこと』になってる。中学の頃のことさ」 リヒトは一旦受け取ったタオルを返した。 「なんだよ、全然、水気とれてねーじゃん」 「いや、防水はしてあるから」