「こんな事ならノリカにしとけば……」 「諦めたの、彼女のことは! 最初から縁がなかったんだから」 「諦めなくてもいいんやないか? 思うのは勝手だ。女優は夢売ってなんぼの仕事だから」 「彼女は営業なんてしない。全て! すべて天性の愛らしさなんだ!」 「愛らしいて、ノリカは馬鹿にはわからない程度に化粧をしてるが、光のマジックでさらに輝いている。気持ちはわかるが、人妻だぞ」 「がーん! 言われてみればそうだった……」