ところが、どう考えても大学受験のノートがそこにはあった。 彼は参考書なんて一度も開いた試しがないというのに。 「お、おお。済んだぜ。いろいろと……」 「いろいろと、何?」 「ああ、ここにかけておくな?」 言ってそろっとした様子で制服をベッドの上に…… リヒトが見てると、その目線が思いっきり泳ぐ。 すぐに部屋に入って、リヒトが示す自分の短ランを持って出た。 そのまま、じっとリヒトのほうを見ている、見つめている。謎だ。