「むいてると思ったけどな、少なくとも話ができる。キミのそれ重要なスキルだよ。
よく日本人は話術が苦手と言うけれど、それはアメリカ他の先進国では幼い頃から人前で話すカンバセイション能力を磨いているからなんだ。
日本人が劣っているわけではないんだよ。
すべては教育の賜物さ。
たとえば日本はこうさ。
目下の者は目上の目を見てはいけない。
話を聞くときは相手の口元や肩口をなんとなく見る。
こんなまるごと不審人物みたいな人間が世界で通用すると思うか?
こんな差を見せつけられて信頼を得られると思うか?」
「俺は大学行くんだ。誘惑しないでくれ」
俺は奴に対して自分を情けなく思いながら、口火を切った。



