「じゃあ、次はこれについて」


少し長い髪をかき上げて、彼は資料に目を通す。


三木龍守、私の彼氏兼婚約者。


180センチ近くある身長と、切れ長の目が印象的な整った顔立ち。


勉強、運動はトップクラス。


誰にでも親切で優しい。


そして、うちの高校の生徒会長。


そうくれば、モテるのは当たり前。


そんな彼と、なんで付き合っていて、しかも婚約者かって?


龍守と私は、いわゆる幼なじみ。


龍守の家の近くに、私たち家族が引っ越してきたのが、そもそもの出会い。


実はパパ同士が高校のときの親友で、すぐに家族ぐるみの付き合いが始まったそう。


といっても、私も龍守も生まれたばかりで最初に会った記憶はないんだけどね。


龍守のパパは日本有数のお菓子会社の社長さんで、私のパパは小児科を個人経営してるお医者さん。


ママ同士もすぐに意気投合し、私と龍守と龍守のお姉ちゃんの美結ちゃんを連れ出してはよく一緒に出掛けていた。